しじみに含まれるタウリン

しじみに含まれる成分と言えばオルニチンが有名ですが、しじみにはその他の栄養素も豊富に含まれています。タウリンもその一つで、栄養ドリンクに多く含まれていることから耳にしたことがある方も多いかと思います。タウリンとは、どのような成分なのでしょうか。

タウリンとは

タウリンとは含硫アミノ酸の一種で、人間の体内で合成することのできる成分です。人間だけでなくほとんどの動物の体内に存在している成分で、様々な役割を担っています。

肝機能を高める

タウリンには、肝臓で胆汁の分泌を促進する効果があることがわかっています。また、アルコールや体内で生成されたアンモニアなどの有害物質を分解し、無害化したうえで体外に排出する働きもあります。

コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する

タウリンには胆汁酸と結合する性質があり、タウリンを摂取することで胆汁酸の必要量が増加します。胆汁酸の生成にはコレステロールが使われるため、タウリンを摂取することでコレステロール値を下げる効果が期待できます。また、コレステロール値を下げることで血中のコレステロールや中性脂肪が多いことが原因とされる動脈硬化の予防にもつながります。

ストレス軽減効果

タウリンにはストレス軽減効果もあることがわかっています。ストレスがかかると、脈拍が速くなり血圧があがりますが、この血圧の上昇にはカテコールアミンという物質が関与しています。ストレスのため血圧があがった状態は長く続くと障害が出てきますが、タウリンはカテコールアミンの放出を抑制することでストレスによるダメージを軽減することがわかっています。

タウリンが多く含まれる食材

タウリンは魚介類に多く含まれています。なかでも牡蠣、イカ、タコなどが含有量の高いことで知られています。

しじみに含まれるタウリン

しじみに含まれるタウリンの量は、実はそれほど多くありません。牡蠣に含まれるタウリンの量が100gあたり1,000mg以上であるのに対し、冷凍しじみで100gあたり166mgと数分の一程度となっています。タウリンの摂取を目的とした場合には、しじみはあまり効果的ではないようです。

疲労回復に効果があるとされ、滋養強壮・栄養補給ドリンクや目薬にも配合されているタウリンですが、他にも様々な効能が報告されています。しじみだけでたくさん摂取することはできませんが、一緒に食べる食材を工夫することで効果的に摂取することで、しじみに含まれる他の栄養成分との相乗効果も期待できるかもしれません。