しじみに含まれる亜鉛

しじみの栄養というとオルニチンが有名ですが、しじみには他にもたくさんの栄養素が含まれています。しじみに含まれている健康に役立つ栄養素のひとつに、亜鉛があります。

亜鉛とは

亜鉛は、人体の活動に必要な必須ミネラルのひとつで、核酸やたんぱく質の合成などに使われる成分です。特に重要なところでは血糖を調整するホルモンであるインスリンの構成成分として機能するなど、健康で暮らすためになくてはならない栄養素といえます。

亜鉛が不足すると

亜鉛の欠乏症として、まず味覚に影響がでます。これは、亜鉛が核酸の合成にかかわっているからであり、亜鉛不足は細胞の分裂増殖に大きな影響をもたらすためです。味覚を感じる器官は味蕾と呼ばれるもので、新陳代謝が激しいため亜鉛不足の影響がすぐにあらわれるのです。「味が異常に薄い」、「変な味を感じる」という場合は、亜鉛不足を疑ってみましょう。他にも、亜鉛不足により肌の不調や皮膚炎、脱毛、免疫低下、貧血、精神障害など亜鉛不足による不調は様々な症状にわたります。

亜鉛を摂りすぎると

健康な人体活動になくてはならない亜鉛ですが、過剰摂取による健康被害もあります。薬などで多量摂取した場合の急性中毒症状としてめまい、吐き気、胃障害、腎機能障害、神経症があげられます。また、過剰摂取を継続的に行うと、亜鉛が鉄や銅の吸収の妨げとなり貧血、免疫障害、神経症状などが起こる恐れがあります。しかし、亜鉛は人体に対する有害性は低いとされていますので通常の食生活であれば過剰症が起きる心配はありません。

しじみに含まれる亜鉛

しじみには可食部100gあたり2.1mgの亜鉛が含まれています。同じ二枚貝で最も多く亜鉛を含んでいるのは牡蠣で、100gあたり13.2mgですから、取り立てて多く含まれているわけではありません。亜鉛の摂取が目的でしじみを食べるならば効率が悪いといえますが、オルニチンやビタミンB群など他の栄養素と同時に摂取できることを考えれば入っていて嬉しい栄養素といえます。

亜鉛の一日あたり摂取目安

厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準によりますと、成人男性であれば1日あたり10mg、成人女性は1日あたり8mgとされています。亜鉛を多く摂りたい場合は牡蠣や豚レバー、牛肉や煮干しなどが亜鉛の多く含まれている食材ですので、積極的に摂取してみてください。

人体になくてはならない成分である亜鉛は、少量を継続摂取することが大切といえるでしょう。しじみを日常的にメニューに取り入れることで、必要量の一部を補うことができますね。