国内のしじみの産地

食材を購入するとき、産地を気にされる方も多いと思います。特に、国産か国外産かは大事な項目のひとつといえるでしょう。しじみも、国内産と外国産がありますが、国内の産地にはどのような場所があるのでしょうか。

県別出荷量第一位は山口県

県別しじみ出荷量の第一位は山口県です。これは、山口県の下関港で多くのしじみが水揚げされているためですが、水揚げ量とは、その港で取引される量のことですので水揚げ量が多いイコール山口県産しじみの漁獲高が多い、というわけではないのです。下関港に水揚げされているしじみには外国産も多く含まれているようです。

県別漁獲量第一位は島根県

では、県別の漁獲量の第一位はどこかといいますと、島根県です。農林水産省発表の2015年都道府県別の漁業統計によると、一位島根県、二位青森県、三位北海道、四位茨城県と続きます。全国の漁獲量は合計9,810トンですが、一位の島根県で4,006トン、二位の青森県で3,571トン漁獲されていますので、国内産のしじみのおよそ8割を占めることになります。

産地別漁獲量第一位は島根県の宍道湖

島根県内の漁獲量第一位は、宍道湖(しんじこ)です。宍道湖漁協によると2015年の宍道湖の漁獲高は3,832トンと、島根県での漁獲量の95%を占めています。国内産しじみの約4割は島根県の宍道湖産ということになりますね。
宍道湖は島根県の松江市と出雲市にまたがる湖で、主に大橋川・中海・境水道を介して日本海に接続しているため、淡水湖ではなく汽水湖となっています。そのため漁獲されるしじみは、塩分を含む汽水域に生息するヤマトシジミで、通年を通して水揚げされています。一時期は水門の建設などで淡水化が進み、塩分濃度の低下やアオコの発生によりしじみの漁獲量が激減しましたが、水門の撤去、稚貝の放流や禁漁日を増やすなどの策が功を奏して再び県別、湖別での漁獲量第一位を獲得するようになりました。

国内産のしじみは、宍道湖に次いで青森県の十三湖、小川原湖、北海道の網走湖で多く漁獲されています。近年は中国や韓国、ロシアからの輸入も増えているしじみですが、お買い物をする際は産地にこだわって選んでみると意外な発見があるかも知れません。