しじみとウコンを摂取

しじみの味噌汁は二日酔いに効く、昔から言われていますので多くの方が聞いたことがあるかと思います。さかのぼると江戸時代の頃からしじみの効果は経験的に知られていたようです。二日酔いに良い食品として有名なものにウコンもありますが、この二つを摂取するとどのような効果があるのでしょうか。

オルニチンは肝機能改善に有効

 しじみ汁が二日酔いに効くとされるのは、しじみに含まれているオルニチンという成分によるものです。オルニチンは主に尿素サイクルに関与するアミノ酸です。尿素サイクル、あるいはオルニチンサイクルと呼ばれる回路で人体にとって有害なアンモニアは無害な尿素に変換されますが、オルニチンはこの回路で重要な働きを担っているのです。アンモニアは疲労の原因物質のひとつと言われ、過剰に蓄積すると脳へ悪影響を及ぼす危険な物質です。アンモニアを含むすべての有害物質は肝臓で解毒されますので、オルニチンを摂取することで肝臓の働きを助け本来の機能を保つことができると考えられています。

二日酔いに効くとされているウコン

 ウコンは、ショウガ科ウコン属の多年草です。英語名ではターメリックと呼ばれ、カレーのスパイスとしても有名です。漢方薬としては昔から用いられてきましたが、その効能については実は科学的に証明されていないことも多いのです。ウコンに含まれる有効成分として有名なのはクルクミンで、抗炎症効果や制ガン作用があるとされていますが、人の臨床実験での証明はなされていません。しかしながら、経験的に二日酔いにウコンが効くとされ、その効果を実感している人も多いことから、ウコンを配合したドリンクやサプリメントなどが多数発売されています。

データ上は、しじみがおすすめ

巷では同じように二日酔いに効くとされているしじみとウコンですが、科学的根拠から言うと、しじみがおすすめです。しじみに多く含まれているオルニチンの他、豊富なアミノ酸やビタミンBが疲労回復にも役立ちますし、過剰摂取による健康被害も報告されていないからです。かたやウコンについては、まだ研究が進んでいないほか、過剰摂取による健康被害が報告されています。これは、クルクミンではなくウコン茎に大量に含まれる鉄分やウコンアレルギーのためとされていますが、摂取量に注意した方が良いことに変わりはないと言えるでしょう。

年末年始など、肝臓をサポートしたい日が続くときの一助としてしじみとウコン、両方活用したい方もいらっしゃると思います。そのようなときはウコンの上限量に気を付けて、体の調子を見ながら上手に摂取してみてください。