肝臓の活躍としじみ

「沈黙の臓器」と呼ばれ、普段はその存在を感じることが少ない肝臓ですが、非常に重要な役割を持った臓器です。「肝機能のサポート」を謳った商品の多さからもその役割の大切さを推し量ることができるといえそうです。肝臓の活躍としじみでできるサポートについてみていきましょう。

肝臓とは

肝臓はお腹の右上に位置しており、ほぼ右肋骨の内側に収まっています。成人では体重の50分の1ほど、1kg~1.5kgほどの重さがある臓器です。非常に複雑な働きをする器官で、数千の酵素を使い500以上の複雑な化学変化を起こし機能しています。肝臓には大きく分けて3つの働きがあります。

胆汁をつくる

肝臓では、消化液である胆汁をつくっています。胆汁は脂質の消化に必要な液体で、黄緑色をしています。肝細胞から常に分泌されており、肝細胞でつくられた胆汁は胆のうに貯蔵され消化に使われます。油分の多い食事が続くと胆汁が多く必要になるので肝臓の負担が増すのです。

栄養の貯蔵、利用

肝臓では体に入ってきた栄養を、身体で吸収できるように変化させています。アミノ酸から血液をつくるのに必要なアルブミンとフィブリノゲンを作り出し血中に放出したり、ブドウ糖をグリコーゲンに変えて肝臓と筋肉内で貯蔵できるようにしたりします。グリコーゲンは体内でエネルギー源として使用されます。貯蔵されたグリコーゲンは血糖値が下がった際に血液内に放出され、血糖値を一定に保つ働きをします。また、骨髄で赤血球をつくる際に必要となる葉酸やビタミンB12を蓄えておき、必要に応じて放出します。

有害物質を解毒・無害化する

肝臓の働きとして最も有名なのが、この解毒作用なのではないでしょうか。お酒を飲まれる方は特に、アルコールを分解してくれる臓器である肝臓をサポートするサプリメントなど気を使われている方も多いと思います。肝臓ではアルコールの他にたばこのニコチンの無害化や、筋肉が疲労した時に発生する乳酸をグリコーゲンに変化させるなど身体の浄化装置の役割を果たしているのです。

肝臓をサポートするしじみ

しじみには、肝臓をサポートする成分がたくさん含まれています。しじみに含まれていることで有名なオルニチンは、オルニチンサイクルという回路で有害物質であるアンモニアの代謝を促進します。また、タウリンは胆汁の分泌を促進する効果があります。さらに疲労回復に効果のあるグリコーゲン、赤血球をつくるのに必要な葉酸とビタミンB12も含まれているのです。

しじみには肝臓をサポートする栄養素がたくさん含まれているのがお分かりいただけたかと思います。しじみというとオルニチンが有名ですので、サプリメントでオルニチンさえ摂れればよいと思われている方は、しじみの他の成分も摂取できるものを選ばれると良いかもしれません。