しじみの栄養素を効果的に取り入れるには

オルニチンをはじめとする健康に役立つ栄養素がたくさん含まれているしじみ。どうせ摂取するならば、できるだけその栄養素を効果的に取り入れたいですよね。しじみの栄養素を効果的に取り入れるにはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。

お出汁も残らずいただく

しじみを使った料理といえば、そのうまみがたくさん溶け出した出汁を使ったしじみ汁やしじみの味噌汁を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しじみ独特の深いコクのあるお出汁は、美味しいだけではなくたくさんの栄養素が溶け出しているのです。

うまみの素 コハク酸

しじみのうまみはコハク酸と呼ばれるうまみ成分から来ています。コハク酸とは有機酸系のうまみ成分の一種で、シーフード系のうまみを出すための調味料としても使われています。このコハク酸にはがん細胞の増殖を抑制する作用と血管新生を抑制する作用が確認されています。しじみから出た出汁にはコハク酸がたっぷり溶け込んでいます。

水溶性のビタミンB群

しじみに多く含まれているビタミン類として、ビタミンB群が挙げられます。ビタミンB2は脂質の代謝、ビタミンB12は悪性の貧血改善に効果があります。これらのビタミンは水溶性ビタミンで、水に溶けるビタミンですので、しじみ汁やお味噌汁のお汁にたくさん溶け出しています。

ミネラル類は身に残っている

しじみにはミネラル類も豊富に含まれているのですが、お出汁をとる料理として調理しても、その多くは身に残るとされています。

しじみに含まれるミネラル類

しじみに含まれるミネラルとして代表的なものとして、カルシウム、鉄分、亜鉛、リン、銅、マンガンが挙げられます。この6種類のミネラルはあさりよりもしじみに多く含まれていることが知られています。これらのミネラル類は水に溶けださず、ほとんどが身に残っているとされます。ミネラル類を積極的に摂取したい方は、身の部分も積極的にいただくようにしましょう。

鉄分摂取を控えた方がよい場合も

貧血気味の方など、基本的には積極的に摂取したいミネラルのひとつである鉄分ですが、肝炎を発症している場合など摂取を控えた方がよいケースもあります。鉄分が過剰に存在すると、細胞内で使われなかった酸素と結合しOH-ハイドロキシルラジカルとなり猛烈な毒性を発揮するのです。医師から鉄分摂取を控えるように言われている方は、しじみの身は残すようにしましょう。

しじみの身と調理して出たお汁、両方とも栄養がたくさんあります。それぞれの体調に合わせ、美味しくいただくことで健康増進に役立ててください。